パソコンとの出会い

私が初めて手にしたパソコンは、NECのPC-6001
(通称パピコン)というパソコンだった。

プログラムの勉強のため、という名目で父にねだって買ってもらい、それを使ってゲーム三昧な日々を目論んでいた。

しかし現実は、それほど甘くなかった。

ゲームソフトは数千円しており、小遣いで買うには高すぎたし、購入目的からして父にねだることもできなかった。

それで仕方なく、マイコンBasicマガジン(通称ベーマガ)という、ゲームのソースコードが印刷された雑誌を買って来た。

そこに書かれたプログラムを何日もかかって入力した。

「できた!」

期待に胸を膨らませながら「run」(実行)してみた。

Syntax Error

無情にも画面には、そのように表示されていた。

夢にまで見たゲーム画面は表示されなかった。されるはずもなかった。

暗号のようなソースコードを、ぎこちない手つきで入力し、しかも、いきなり大作ゲームを選んでしまったのだから。

プログラミングの厳しさを、情け容赦なく思い知らされた瞬間であった。

いつもの私なら、そこで投げ出していたに違いない。

しかし、そのときの私はゲームやりたさ一心にデバッグを開始した。

その作業は深夜にまで及んだ。

とうとうゲーム画面が表示されたときの達成感は今でも忘れない。

自分が一人前のプログラマになったかのように調子付いていた。

せっかく入力したゲームで遊ぶのもそこそこに、無謀にもプログラムの仕様変更に着手した。

いつしか目的は「ゲームで遊びたい」から「プログラムを動かしたい」に変わっていたのだ。

(程なくしてプログラムが修復不能な状態に陥ったことは、いうまでもない。)

いま思えば、そのときから開発者への道に足を踏み入れてしまったのかもしれない。

K.O